凍る世界/A面


夏のすべてを忘れてもホットドッグの匂いがするんだ君の髪から


冬の床ぺたぺた歩く泳げないペンギンだから炬燵に潜る


鳥たちの凍る世界で泣いている 笑い声かもしれない、あれは


動物のスリッパどれを買おうかと悩んで何も買わずに帰る


足指の隙間はいつも丁寧に洗う毎朝くすぐられるし


「そいつらをみんなまとめて芋虫に変えたげるから眼を閉じなさい」


撃ち放つその瞬間に砕け散る硝子の銃の破片で君を


付箋貼る指先見てた飛ばされてわからなくなるいつかすべてが


「切腹ね」と迫るお前の夢を見て毛布を少し多めに掛ける

すれ違いの猫たち

短歌・詩・散文など