彷徨う車



吹き荒れる春の嵐の記憶だけ詰めたトランク後部座席に

歩道にも車道にも花   アクセル踏んで生きようと、した

待つことはつながれること街灯は瞬いて点くでも届かない

ひかり、あれは桜、桜のひかり、花の罠、呼ばれたら終わる、ひかり

夜桜が照らし出してた湖も月も消え去り彷徨う車

すれ違いの猫たち

短歌・詩・散文など